不動産を売却すると、所有権が移転したことによる登記申請をしなければいけません。登記申請には印鑑証明書などいくつかの書類が必要になります。
そのとき、印鑑証明書に記載されている住所と登記簿上の住所が異なっている場合は住所変更の登記が必要になります。住所変更登記とはどんな登記なのかや、求められる理由や申請のタイミングと費用について調べてみました。
所有権移転登記の前提として住所変更登記が必要です
不動産の売却に伴い物件の所有者が変わった場合は、所有権移転の登記申請をすることになります。新たに所有者になった人の権利を保全するためには必要な手続きです。
その際に、要求される添付書類に売主の印鑑証明書があります。この印鑑証明書の住所と登記簿に記載されている住所が一致していない場合は、所有者移転登記の前提として住所変更登記を申請して登記上の住所を現住所に一致させる必要があります。
住所変更登記とは、登記名義人の住所が現住所と一致していない場合に必要になる登記です。公示されている内容を実際の状況に合わせるために行う手続きですが、権利関係に変動が無ければ放置されることが多いです。
このため、不動産を売却する際に現住所と登記上の住所が一致していないという状況になることは珍しいことではありません。不動産売却による所有権移転の登記のを行う際に、前提として申請されることがしばしばあります。
住所変更登記の必要性と申請のタイミングと費用
不動産の所有権移転登記は、重大な財産に関する権利の移転を公示する手続きです。真実の権利変動と一致させることで、不動産に関する安全で円滑な取引を担保しています。そのため、手続きに関しても厳格な要件があり、その一つとして売主の本人の意思確認の意味で実印の押印が求められています。
押印された印鑑が実印であることは、印鑑証明書を添付することによって証明されます。この際の印鑑証明書が、登記名義人のものであることが客観的に証明される必要があるので、住所氏名が一致していなければいけません。一致していない場合は、一致させるための登記が必要になり、これが住所変更登記が要求される理由です。
住所変更登記をするタイミングと費用については、タイミングは所有権移転と同時にすれば問題ありません。費用は、不動産一筆につき千円の登録免許税と依頼する司法書士への報酬と実費です。報酬と実費は、筆数にも依りますが合計で一万円から二万程度が相場です。
住所変更登記は登記の真実性を担保する手続きです
不動産を売却すれば、所有権移転登記をするために登記上の住所と現住所を一致させる必要があり、これが住所変更登記をする理由です。住所変更登記とは、所有者の住所の沿革を証明し、同一性と意思確認を厳格に行うために要求される登記です。